恋スムージー

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シンプルな服はぜんぶ処分して、ロリータ系にチェンジした。あとは勇気をだすだけだと思い、池袋駅構内に向かう。そこには恋スムージーを扱っている店があるのだ。既に過去三回お世話になっているわたしは、常連顔でピンク髪の店長に声をかけた。
「こんにちは。お久しぶりです」
「ミッチーさん? 珍しい格好してるね?」
「あなたの好みに合わせたんです」とは言えないから、期間限定のメロメロメロン恋スムージーを注文する。ネットの口コミにも書いてあるけど、飲むと数分後には肌がツヤツヤになり、うまくいく予感でウキウキしてしまうのだ。その場で一気に飲み干したわたしは、帰るふりをして店長に伝えた。
「今度いっしょに遊びに行きませんか?」
「いいよ!」
「えっ……」
あまりの軽さにドン引きし、適当に濁して帰宅した。スムーズに行く恋は、わたしの好みじゃないらしい。
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公開:25/06/05 09:16

いちいおと( japan )

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintを使っています。

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