0
4
移ろう季節の端々に美しさはひそんでいる。たとえば六月。わたしの庭では紫陽花とラベンダーに色がにじむ。まもなく満開となり、住人だけではなく訪れる人すべての目を楽しませてくれることだろう。
窓を開け、梅雨が来る少し前の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれるような風を感じる。どこからともなく聞こえてくる小鳥のさえずりも、休日の朝を彩るBGMにふさわしい。
食事をしていると、日差しを浴びて目を覚ました同居人がわたしに向かって言った。
「いい匂いだ。いつものパン屋さんのクロワッサンをあたため直したんだな」
「バターの香りがたまらないよね」
「コーヒーもいいけど紅茶も合うよ。注文しとく?」
「いいね。おすすめでお願い」
彼は持ち主であるわたしに全身全霊で寄り添ってくれる有能家事ロボットだ。だから残高が少なくてもちゃんと共感してくれる。
「今月、あと千円しかないけどいいよね?」
「そうだね!」
窓を開け、梅雨が来る少し前の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれるような風を感じる。どこからともなく聞こえてくる小鳥のさえずりも、休日の朝を彩るBGMにふさわしい。
食事をしていると、日差しを浴びて目を覚ました同居人がわたしに向かって言った。
「いい匂いだ。いつものパン屋さんのクロワッサンをあたため直したんだな」
「バターの香りがたまらないよね」
「コーヒーもいいけど紅茶も合うよ。注文しとく?」
「いいね。おすすめでお願い」
彼は持ち主であるわたしに全身全霊で寄り添ってくれる有能家事ロボットだ。だから残高が少なくてもちゃんと共感してくれる。
「今月、あと千円しかないけどいいよね?」
「そうだね!」
SF
公開:25/06/07 10:53
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます