それちょーだい♪

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あ゛ぁ…気が重い…
今日は大事な試験。対策に抜かりはない!…でも不安も大きい。
早めに到着し過ぎてしまった為、試験会場近くの公園のベンチで俯き時間をつぶす。

「それちょ〜だいっ♪」

顔をあげるとお花形のポシェットをさげた白兎がいた。

「重い気は、磨くと固い漬け物意志になるの。それで漬けると美味しいの♬」
「…何が?」
「にんじ〜ん」

兎はほっぺにふわふわの両手を当ててうっとりしている。昨日よく眠れなかったからな…夢だろう。

「味見させてあーげるっ♪」

ポシェットに入っていたお弁当箱からにんじんの漬け物を取り出すと、兎はあーんで私に食べさせた。

……うまっ!

「ね?できたら分け分けしてあげるから、ちょーだい♫」

元よりいらないものだし、こんなに美味しいもの貰えるなら…

「お好きなだけどうぞ」
「わーい♪」

兎が私の背中を優しくポフポフ擦ると、重い気がゴロンと転がり出た。
ファンタジー
公開:25/06/04 21:06
好きな野菜はアスパラガス

花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださり、ありがとうございました!

※6月12日〜6月末まで、色々と鍛える為に毎日投稿にチャレンジ中で〜す(⁠◔⁠‿⁠◔⁠))
若干カーブミラーに取り憑かれた人みたいになっていますが、概ねその認識で間違いはない

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