雨言

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ー ゆい 、、、ー

『えっ?』
雨天の帰り道、ふと誰かに呼ばれた気がした。

見渡してみても、周囲に人影はない。
その時、昔おじいちゃんと話した事を思い出した。

『雨粒は大きさも様々なものが降ってくる。
地面や水たまり、看板などに粒が弾けた時、それは音であり言葉とも聴こえるんじゃ。

空に昇ったワシの両親も時折寂しくなるのか、御天道様の力を借りて話しかけてくるんじゃよ。

故に、空が泣くんじゃな。』

、、、そっか。
それじゃ、久しぶりに相合傘しよっかおじいちゃん。

冷える夜道も、水たまりから聴こえる雨粒のオーケストラに囲まれて、心はぽかぽかと温かい家路でした。
ファンタジー
公開:25/06/03 20:09

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