パラレルワールド〜1LDK

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目覚まし時計ー
ベッド、本棚、家具、一枚の写真立て……お母さん? 夢想のおいら。
「明晰夢? 何も思い出せない」
(選択肢は四つ。夢から覚める。ほっぺたを抓る。私と対話をして手掛かりを攫む。その他)
「お母さん。助けて!」
おいらの心臓は止まっているー(また逃げる? 章太郎)
「違う」
(え?)
ひらめきは言葉になり愛へ変わる。
「おいらには分かる。可笑しいよ、非力さ」
【違うよ章太郎、私がホンモノ】
「!?」

夢?
「早く支度しろ、空港まで二時間だ」
お父さん……言えなかった。
お母さんは語学留学の身で悠々自適な外国のホームステイ。
「おいら変な夢見た。メッセージだよ」
「LINE通話しろ。また仕送りな」
お母さんは日本赤十字社のバチスタ・メンバー。
【章太郎……紛争地域は常に助けを必要としている、双子の姉】
「そっくりだけど分かる」
お姉ちゃんの命日の初夢ーおいらの部屋には遺影と手紙
ファンタジー
公開:25/05/30 10:31
更新:25/05/30 10:35
パラレルワールド

谷口文章( 北海道 )

詩の新人賞獲得経験有り、AB型、一日生まれの左利き。

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