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誕生日プレゼントに彼女からアドベントクッキーをもらった。長方形の箱に扉型の切り取り線が24ヵ所つくられており、毎日ひとつずつ開けてゆく仕様だ。1日目はラッパ、2日目はランプ、3日目はラッコの形だった。そこでようやくぜんぶ『ラ』はじまりのクッキーが入っていることに気づいた。俺の名前にラはないし、好きな食べ物や生まれ故郷とも関連はない。誕生日当日になっても謎が解けなかったので、彼女に電話してきくことにした。
「本当になにも思い当たらない?」と彼女はせせら笑う。「メッセージを送ったつもりなのに」
俺は少し腹を立てながら答えた。
「不満があるならはっきり言ってよ」
「わたしは知ってるっていう意味。これでわかる?」
俺ははっとして口をとざした。もう一人の彼女の名前がラからはじまることを思い出したからだ。
「今日のバースデーパーティー、三人で祝おうね」
恐怖のカウントダウンが動き出した。
「本当になにも思い当たらない?」と彼女はせせら笑う。「メッセージを送ったつもりなのに」
俺は少し腹を立てながら答えた。
「不満があるならはっきり言ってよ」
「わたしは知ってるっていう意味。これでわかる?」
俺ははっとして口をとざした。もう一人の彼女の名前がラからはじまることを思い出したからだ。
「今日のバースデーパーティー、三人で祝おうね」
恐怖のカウントダウンが動き出した。
ミステリー・推理
公開:25/06/01 12:57
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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