脳震盪
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公園に住んでいると言うと、どんな反応をされるかわかっている。しかし私は、この気ままな生活が気に入っているのだ。
向かいには一人暮らしの婆さんが住んでいる。知り合ってからは、縁側で他愛もない話をするのが日課だ。
婆さんには息子がいて、毎月、嫁と孫を連れて会いに来る。
今日がその日だ。
私は公園のベンチで新聞を読んでいた。家族水入らずの邪魔をしたくないし、何より私は小さな子供が嫌いなのだ。
向こうの角を郵便屋のバイクが曲がって来るのが見えたとき、孫がボールを追いかけて、通りに出てきた。
「危ない!」
私はとっさに、孫とバイクの間に飛び出した。バイクは配達のため停車したが、私はすぐには止まれない。どんっ、とバイクにタックルする格好になった。
「パパ、クロ死んじゃったの?」
「大丈夫だよ。念の為、病院に連れていこうね。」
私を見下ろす人々の話し声は、次第に遠のいていった。
向かいには一人暮らしの婆さんが住んでいる。知り合ってからは、縁側で他愛もない話をするのが日課だ。
婆さんには息子がいて、毎月、嫁と孫を連れて会いに来る。
今日がその日だ。
私は公園のベンチで新聞を読んでいた。家族水入らずの邪魔をしたくないし、何より私は小さな子供が嫌いなのだ。
向こうの角を郵便屋のバイクが曲がって来るのが見えたとき、孫がボールを追いかけて、通りに出てきた。
「危ない!」
私はとっさに、孫とバイクの間に飛び出した。バイクは配達のため停車したが、私はすぐには止まれない。どんっ、とバイクにタックルする格好になった。
「パパ、クロ死んじゃったの?」
「大丈夫だよ。念の為、病院に連れていこうね。」
私を見下ろす人々の話し声は、次第に遠のいていった。
その他
公開:25/06/01 02:25
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