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…ジャっ…ジャっ!

進行方向右手の路地裏から妙な音がする。ここは街灯が少なく帰りの遅い日は通らないようにしていたのだが…家まで一番近道なんだもん。どうしよ…


引き返すか迷っていると音が止んだ。よし、今のうちに…!

ーーシャシャシャシャ!!

ま、また音ががっ、、無理、引き返っ……あれ?辺りは真っ暗なままなのに…暗闇が優しい…?

「ん?怖がらせたか?」

混乱していると路地裏から作業服を着たお兄さんが出てきた。高速で首を縦に振る私。

「ごめんな〜!俺は人に不安を与える尖った闇をこいつで丸くする仕事してんだ」

お兄さんが見せてくれたのは眩しくざらついた紙。

「…紙やすり?」

「似てるけどちょい違う。これは闇やすり。太陽の光でできてる。粗く削る時は夏の陽射し使って、好みにもよるけど俺は春の陽だまりで温かみある感じに仕上げる」

太陽の香りのする夜風で、削られた闇が光って舞う。
ファンタジー
公開:25/05/31 10:19
初手から200字削った 1時間くらいかけて

花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださり、ありがとうございました!

ショートショートも感想も自分の「今、これ好き」を一番大切にしつつ、気まぐれに書いていこうかなぁと思います。あとシンプルにとても気分屋です(⁠◔⁠⁠◔⁠)

よろしくお願いします〜

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