捜査のメス

”捜査のメス”という言葉を一度は聞いた事があるだろう。
深く切り込む事を意味する言葉として使われているが、捜査のメスは実在する医療器具である。
故に誰にでも扱えるものではなく、簡単に振るっていいものではない。
捜査のメスを振るうは事件専門の外科医。捜査官ではない。
素人が捜査のメスを手にしてみろ。痛くもない腹を探ろうとする者が必ず出てくるだろう。暴かなくていいものまで暴いては、血が流れるだろう。
捜査のメスを入れ、事件を解決した後も現場では生活が続くんだ。
捜査のメスを入れる前は現場に麻酔を使うし、事件が解決したら現場の傷の縫合もする。
あとは安静にしておいてくれ。それが現場に１日も早く、日常を取り戻す最高の薬となる。
間違っても事件や現場をこれ以上叩かないでくれ。そんな事をすれば傷は開き、余計な血が流れる事となるだろう。
傷が化膿してしまえば膿を出す為、再び捜査のメスを入れる事に繋がる。