失恋電話サービス

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キッカケは“間違い電話”だった。
失恋したては気持ちのネジが緩んでいたから──

「もしもし!?」
失恋3日後、スマホが鳴った。
“別れるの取り消し”電話だと思ったのに。
いつまで経っても無言のまま。
彼のはずがない……
苛立って画面を見ると、知らない番号。
相手を見ずに出たことを激しく後悔。
電話を切ろうとしたその時、荒い吐息と“ワン!”という鳴き声が聞こえてきた。
「犬ぅ!?」
私の声に相手は“ワンワン”と答えた。
笑いが込み上げてくる。
久しぶりに笑った。
「こら! また勝手に電話して……すみません。飼い犬が勝手に」
「いえ、お陰で色々と吹っ切れました」
「ええ!? あなたもですか」
聞くところによると、その犬はたまたまなのか失恋女子に電話をかけているんだとか。
「飼い主さん。失恋電話サービス、ありがとうございます」
たくさん泣いて笑ったら、未練はもう無くなっていた。



その他
公開:25/05/19 22:40
失恋

Mi-sya

自由気ままに。
よろしくお願いします。

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