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コンビニに行くと、レンタルアンブレラが一本だけ置かれていた。雨が降ると空を飛んで迎えに来てくれるのが大人気で、めったにお目にかかれない幻の品物となっている。すぐにレジへ向かい、一週間レンタルの契約をした。
翌朝は雨だった。私は借りた傘を差してバス停に並び、畳んだ傘を見せびらかすように持った。好奇の視線や噂する女子高生の姿を確認しながら優越感に浸る。社ビルの出入口にある傘立てに置き、万が一にでも盗まれたら困るので、デスクに掛けておく。撮影者が列を成すこともあり、そのたびに運がいいと持ち上げられ、すっかり天狗になっていた。一週間はあっという間だった。
レンタルは一生に一度という規約である。どうにかして期限を延長できないか会社で調べていると、具合の悪いことに雨が降り出した。あわてて抱え込んだが、傘はするりと私の腕を抜け出し、社ビルの窓を突き破ってコンビニオーナーの元に帰っていった。
翌朝は雨だった。私は借りた傘を差してバス停に並び、畳んだ傘を見せびらかすように持った。好奇の視線や噂する女子高生の姿を確認しながら優越感に浸る。社ビルの出入口にある傘立てに置き、万が一にでも盗まれたら困るので、デスクに掛けておく。撮影者が列を成すこともあり、そのたびに運がいいと持ち上げられ、すっかり天狗になっていた。一週間はあっという間だった。
レンタルは一生に一度という規約である。どうにかして期限を延長できないか会社で調べていると、具合の悪いことに雨が降り出した。あわてて抱え込んだが、傘はするりと私の腕を抜け出し、社ビルの窓を突き破ってコンビニオーナーの元に帰っていった。
ファンタジー
公開:25/05/22 08:51
更新:25/05/22 09:27
更新:25/05/22 09:27
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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