電照トマト

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ある夏のこと。

夢中で遊んでいると、あたりはすっかり暗くなっていた。

息を切らしながら急いで帰っていると、ある畑に目が止まった。

その畑は赤や緑、黄色など、あざやかな光で照らされている。

なんの光だろうと畑に近づいてみると、光の正体は色々な種類のトマト。

畑の立札には「電照トマト」と書いてある。

ぼんやりとトマトを眺めていると、この光るトマトを食べてみたくなった。

人の畑のものを勝手に食べるのはダメだとわかっていたが、一個だけならと、こっそり食べてみることにした。

半分食べてみると、なかのゼリーが発光していることがわかった。気のせいか、肌が少し発光しているように感じる。
その他
公開:25/05/17 11:08
更新:25/05/17 11:11

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