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朝日が燦々と照りつける。僕は外に出れない。太陽光を浴びれない人間など、最早人間もどきと言って良い。元来人間は昼行性なのだから。

はぁ。深いため息がでる。

「ねぇ君。」

同い年ぐらいの女の子だ。僕に話しかけているのだろうか。

「君ってば。そこの白い髪の君。」

「何?」

「いつも、楽しくなさそうな顔してるよね。」

それはそうだろう。病院にいるのだから。

「ここは病院だからね。それに、僕は生まれつき、色素がないんだ。そのせいで、太陽に弱い。」

「そうなんだ。でも、君の髪の毛私は羨ましいなぁ。」

「なんで?」

「だって、冬の雪のような艶やかさと、月の冷ややかとした鮮やかさがあるじゃない。その髪で何年も生きられるなんて羨ましいよ」

彼女には、髪がなかった。
彼女の言葉は、今の僕にはとても暖かかった。それでも、彼女を見て、僕の太陽だ。とは思わなかった。
公開:25/05/16 21:48

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