いつまでも大人になれない

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ユメのなかで
わたしはたいがい
高校生か
大学生くらいで
いつまでも
それくらいだから
永遠の若さを
手にできたようで
うれしくもあるわけだけど
そのじつ
いつまでたっても
未熟で
なめられてしまう
ユメのなかのわたしは
精神年齢そのものと言って
いいのだろう

ユメのなかで
父は
堂々としていて
大きな背中をしている

何年か前
街で
父の背中を見た
あまりに小さな
父の背中を前に
悲しくなってしまい
声をかけられなかった
声をかけてしまったら
きっと
泣いてしまうと思ったから

そのあとあたりから
あんまり
実家に行かなくなった
父の姿を見るのが
嫌になった

父の姿を見るのが
嫌というか
老いた父の姿を見るのが
嫌なのだ

雑草をとったら
庭が少し
すっきりした
心のなかの
雑草も
簡単に
とりはらえたら
いいのに
その他
公開:25/05/14 19:59

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