氷の学校

0
4

「皆おはよう!」
「「おはよう!」」
僕が通っている氷の学校。何でも氷で出来ている。
「綺麗な蝶々の髪飾りだね!」
「うん、お母さんが買ってくれたの!」
雪ちゃんの蝶々の髪飾りは氷の結晶だ。朝日に照らされて、キラキラ鱗粉の様に光って見えた。
【キーンコーンカーンコーン】
氷柱を叩くチャイムが鳴った。しばらくして、ハァハァと肩で息をする先生が、教室に入って来た。
「……皆さん、席に着いて下さい」
と言って、ハンカチで汗を拭き、頬が少し歪んだ。

それから授業が進み、お昼になった。
この時間はいつも眠くなる。
「こら、起きなさい!」
「ごめんなさい!?」
僕は飛び起きた。しかし、教室には誰もいなかった。
「あれ、皆は?」
見渡すと何もなかった。机も黒板もない。いや、キラキラ何か飛んでいる。
「蝶々だ!」
触ろうとしたが、手がなかった。足もない。動けない。
視点が低くなって、ジュワッと溶けた。
ホラー
公開:24/10/25 20:36
更新:24/10/25 20:37
学校

社 真秀

空想世界を広げる為書き連ねます。アドバイス、ご指摘いただけると幸いです。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容