パズルハウス

　ある建築会社。パズルハウスというのを始めた。盛んにテレビのＣＭに流れている。
　達雄は貸家のテレビでそれを観ていた。
「この我社のパズルハウスは、いろんな組み合わせで、間取りを好きなように配置できる商品です。初めは予算に応じて、パズルハウスを小さくしておいて、あとからお父さんが出世して給料が上がったり、子供が成長したりして、パズルを増やすように建て増しできるのです」
　ＣＭの出演者がそう宣伝すると、達雄は感心して魅入っていた。
　出演者はさらに宣伝文句を続ける。
「もちろん高齢者になって、子供も出ていき、そんなに広い家が必要なくなったらパズルを減らすように減築できます。どうです？あなたも一件建ててみませんか?」
　達雄はＣＭを観終わると、う〜んと考えた。
「良さそうだけど、高いな」
　そう言ってネットを見て、そばのパズル雑誌を見た。
「懸賞品にあればいいなぁ。まあ無理か」