【妖怪小噺】海マッシュヘア

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ここは広い広い海のど真ん中。
海坊主の子供達が集まって話をしていた。

「おい、人間どもにワシらなんて呼ばれてるか知っとるか?」

「なんじゃろ?大きゅうて恐ろしいから、ウミオウじゃろ」

「『海坊主』って呼ばれているんじゃと、叔父御が言っとった」

「『坊主』って、御坊のことか。なぜじゃ?」

「頭が丸いからじゃとよ、つんつるてん♪」

「なんじゃぁ!そんだけで、そんな呼び名なんか!」

「人間の世界じゃ、昔から頭髪の流行があるらしいからの。ちょっと見た目を変えるか」

「じゃが、ワシらにゃ毛はないぞ」

「これをこうして、こうすりゃええ」

子供の一人が何かモソモソと動くと、
海坊主の子供たちは、体を震わせて歓声をあげた。

それからしばらくして、最近の新聞の見出しにこう書かれた。
『洋上で『ワカメ坊主』現る。』
ファンタジー
公開:24/10/19 18:01
更新:24/10/19 23:20
妖怪 妖怪小噺 笑い話

初川 鳳一

作品を読んでいただきありがとうございます!

最近色々な小説を読んでいたら、自分でも挑戦をしたくなりました!
ド初心者ですが、みなさんが楽しめるようなお話が書けるように頑張りますー!

「妖怪」の説話・由来などをもとにしたショートストーリー「妖怪小噺」シリーズを制作中!
妖怪・都市伝説・怪談などが好きです!お友達も募集しておりますので、ぜひ仲良くしてください!

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