うるさい選挙ポスター

　衆議院議員選挙が始まった。町中に貼られたポスターが貼られたが、それらが突然しゃべりだした。
「アイツの政策はデタラメだ！」「お前こそ税金を無駄遣いしてる！」「裏金はどうなってる！」
　候補者たちは互いに文句を言い合い、昼夜問わず騒ぎ続け、町は騒音に包まれた。　　
　困り果てた住民たちは、議論を仕切ってくれるだろうと政治討論番組の司会者の田畑宗一郎のポスターを貼ることにした。　
　すると、「ちょっと待ってください！」と鋭い声が響き、田畑が仕切り始めたが、状況は悪化。
　「それで本当に国民のためになるんですか？」と鋭い追及が飛び、ポスター同士の議論はさらにヒートアップ。　
　「お前は何も分かっていない！」、「今こそ改革が必要だ！」と怒号が飛び交う。　
　田畑は火に油を注ぎ、ついには町中のポスターが同時にしゃべり出し、町は騒音で大混乱に陥った。
　当然、この町の投票率は過去最低になった。