グッドバイ

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「やっと地球に着いた。さあ地球を明け渡せ、グッドバイ」
姿は軟体動物、声はロボットである。
「倍にして返すよ!生意気言うと」
「キュートな娘が猛々しいなこの星は」
バカにした鼻息が竜巻になった。
「皺くちゃのタコ黙りなさい」
と返すと怒って竜巻。
「最後の通告だ。三つ数える間に降伏しろ」
私が強がっているのは事実だ。だけど地球防衛軍に入隊して三日目の私に拡声器を押し付けたのは隊長だ。
私の一言が地球の運命を決める。
タコ、いや宇宙人がカウントを開始する。
イチ。ニィ。サン。
「兄さんタコ飯になりたいか!」
「怒り心頭!許さん!」ああ!しまったぁ、負けたあ!と宇宙人、いやタコが絶叫する。
そして慌てて宇宙船に戻り、空の彼方に消えて行った。
私は幼い頃からしりとりで負けたことがない。
隊長が肩を叩く。
「私の目に狂いはなかった」
私は鼻から竜巻を上げた。
「かったるいこと言うな、このタコ!」
公開:24/10/12 10:29
更新:24/10/12 10:52

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