彼岸花

周り一面田圃に夕陽が当たり黄金色をしている。
宇宙人の一団が金色を求めこの地にやって来た。ここは金が集まった所だなァ、探していた所に違いない。
丁度田圃の近くでは祭りで、沢山の屋台が並び人々は賑やかでキラキラとしている。
宇宙人は想像とは全く違う、我々は金を求めて隣の星と争っているのに、ここの人達はとても幸福そうだ。
すると屋台の方から美味しそうな匂いがして来た。屋台に描かれている絵は、自分達の先祖の肖像画にそっくりだ。直ぐに並び買ってみた。
丸いボールの様な物で食べてみるととても美味しい。
グループガイドに聞けば、これはたこ焼きですと教えてくれた。
食べながら田圃に戻ると、田圃の畦に赤い花が咲いているのに気が付いた。聞くと彼岸花ですと言う。
この花が咲く頃、ここの人達は亡き先祖を懐かしく大切に思い出すと言う。
宇宙人は食べるのを止め花を見つめた。皆で星に帰ろうと、この地を去って行った。