悪魔の子

妻と二人三脚。真面目に妊活に取り組んだおかげで念願の我が子を授かった。
その知らせに僕の両親も最初は喜んでいた。
だが…産まれたばかりの初孫を見て、こう叫んだんだ。
「その子は悪魔の子だ！」って。
確かに、この子には生まれつき変な痣があった。
だからってそれだけで悪魔呼ばわりは酷いだろう…そう諫めるも、両親は聞く耳を持たない。困ったものだ…

悪魔呼ばわりされた我が子だが、すくすくと元気に育っている。
体の弱い妻は、生まれてくる子は体の強い子であってほしいと願っていたからな。
この子は天使だ。
僕の、優しい子に育ってほしいって願いを体現してくれているのだから。
その姿に、僕の両親も考えを改めてくれた。今じゃすっかり初孫にメロメロだ。
また一つ、僕の願いが叶った。
「つぎはどんなねがいを、かなえてほしい？」
無邪気な微笑みを浮かべ、そう聞いてくる我が子。
その瞳に魂すらも奪われそうになった。