粉糖
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彼女は短大を卒業した後、実家近くの公園の蟻の巣の事務課に就職した。
毎日働き蟻が運んでくる砂糖の粒を数えたり、女王蟻の愚痴を聞いたりして時間を過ごした。
彼女には触角も複眼もなかったが、持ち前の明るさと昆虫好きが幸いして打ち解けていった。
やがて彼女は一匹の働き蟻と恋に落ちた。
ある日彼女は、
「次の休日デートしませんか」
とその蟻を誘った。蟻は驚きながらも頷いた。
当日の朝、彼女は念入りに化粧をしていた。同居している両親が冷やかしてきた。彼女は微笑み、最後に口紅を塗ろうとした。
その時、蟻とのキスを思い浮かべた。
彼女は口紅を置き台所に行った。そして棚から粉糖を取り出し、それを唇にまぶし始めた。
毎日働き蟻が運んでくる砂糖の粒を数えたり、女王蟻の愚痴を聞いたりして時間を過ごした。
彼女には触角も複眼もなかったが、持ち前の明るさと昆虫好きが幸いして打ち解けていった。
やがて彼女は一匹の働き蟻と恋に落ちた。
ある日彼女は、
「次の休日デートしませんか」
とその蟻を誘った。蟻は驚きながらも頷いた。
当日の朝、彼女は念入りに化粧をしていた。同居している両親が冷やかしてきた。彼女は微笑み、最後に口紅を塗ろうとした。
その時、蟻とのキスを思い浮かべた。
彼女は口紅を置き台所に行った。そして棚から粉糖を取り出し、それを唇にまぶし始めた。
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公開:24/10/14 17:27
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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