本格小説「森」
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私は岐路に立っている。ここから先は鬱蒼とした森。昼なのに夜のように暗い。引き返す事が出来るとすれば、ここが最後のチャンスだろう。ここから先は地元の人間でも入りたがらない。この森を抜けると隣町まで1時間ほど。迂回すれば3時間はかかる。しかし地元の人間は皆、迂回している。そんな森。噂では〈何か〉がいるらしい。まあ、それはただの噂話だろうが。そんな森に私は入ろうとしている。何故か。1ヶ月ほど前、私の友人が噂を聞き付けてこの森に入った。「動画をバズらせるんだ。」と意気込んでいた。そんな友人は森から帰って来なかった。未だに何も手掛かりが見つかっていない。意を決する。立ち入り禁止の看板の横のチェーンを跨ぎ奥へと入っていく。特に変わった所はない。しかし人の手が入っていない森は歩きづらい。注意しながら歩き続けること30分。森の中心ほどまでは来たはずだった。その時、誰かに呼び止められた。「おい!」〈続く〉
ミステリー・推理
公開:24/10/13 15:10
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時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、短いお話を書いています。コメントは励みになります。とりあえず過去作の改訂版を中心に新作も載せていきます。よろしくお願いします。
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