この願いよ、

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「おい、いつまでボケッとしてんだよ。」
目の前の人がこっちを見てそう言った。
「今日からあんたは幽霊さ。怨霊になっちまったんだよ、あんた。」
半透明な人間が幽霊だと思っていた。
実際には半透明ではなく、視界にモヤがかかってるような姿だった。
「俺は2ヶ月と8日だが、あんたは初日だな。」
白い歯を見せながら向こうは気楽そうに笑っていた。
もっとも、モヤがかかってるせいで表情はよく分からないが。

「おいおい、まさかあんたが最後まで悔やんでたのって子どもの成長を見届けられなかったことか?」
勝手に自宅まで着いてきて言いたい放題だが、実際そうだった。
「向こうはあんたのことなんてすぐ忘れちまうぜ、きっとな」
寝ている我が子をジロジロ見ている彼を横目に鼻で笑ってやった。

「いいんだよ。それで。」
「はあ?何がいいんだよ?」
「この子にはこれからを生きてほしいからな。」
ファンタジー
公開:24/10/03 22:00

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