献立街灯

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玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、豚肉…

温かな橙色に灯る街灯の周りを【ぐ】が飛んでいる。いや、蛾ではない具だ。料理の具。
この夜道を照らす街灯には灯す光に具を引き寄せる力があって、夕飯に何を食べようかと悩む今の私のような者たちへ、こうして具を呼び寄せて献立を提案してくれる。

「…もしかしてカレー?今日昼にカレー食べちゃってさぁ…」

申し訳なさそうに街灯へ告げると、元々俯いていた街灯がポールの腰を曲げて更に俯いてしまったので「わぁぁっ!気にしないで!むしろいつもありがとう!」と慌てて感謝を伝える。

さて、次の街灯は…

玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、豚肉…

この街灯の提案もカレー?

……あっ!

よく見てみると、光で透けて見えにくくなっていた具の存在に気づいた。白滝だ。

「よし、今日は肉じゃがにする♪」

決定した夕飯の献立に大賛成だと言わんばかりに、私の腹の虫がグゥと鳴いた。
その他
公開:24/10/07 18:04
更新:25/08/12 14:22

ネモフィラ( 更新停止 )

読んだ人に笑顔になってもらいたいという想いから投稿し始めましたが、私の文章ではそういったものが届けられないのだろうなぁと気づかされました。

今は書こうと思うとただただ悲しくなるだけなので、もう投稿することはないかもしれません。
アカウントは残しますがこれ以降浮上することもないかと思います。

短い間でしたが今までありがとうございました!
たくさん学ばせて頂きました。
お元気で。

2025.9

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