役者のセリフ・サプリ

新発明のアイデアを、研究員とともに話している押上博士。
考案中の、『役者のセリフ・日常使いのサプリ』。
それを飲めば、映画の役者のような言葉を、ためらいなく話せる。

博士は皆にたずねた。「現実にはあり得ない、役者のセリフとは？」
研究員の妖子さんは「『〇〇かい？』ですね。飲むかい？乗るかい？、って実際は言わない。飲む？乗る？でしょう」
皆はうなずく。
別の一人は「殴ったり、蹴る時、『ヤーッ』ていう？いわないよね」
皆もうなずく。
博士は言う。「それを実際にしゃべれたら、スカッとするだろうね。サプリも売れそうだ」

別の一人は言う。「悪役が、上から物が落ちてきた時、ずっと見つめながら『ウワーッ、アーッ』と叫んで、つぶされてジ・エンド。普通、逃げますよね」
「あるある」と皆は言ったが、博士だけは渋い顔だ。
「その叫びを言ったら、必ずオダブツだろ。その言葉は、サプリには入れないようにしよう」