話がしたいよ

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父が亡くなって四十九日が経った。亡くなったことを知った当時はグチャグチャだった心が今になってようやく整理がついてきた。

あんなに大きかった父親も遺体は小さく見えたんだ。
あんなに怖かった父親も遺体は優しく見えたんだ。
あんなに尖ってた父親も遺体は丸く見えたんだ。
あんなにおしゃべりだった父親も遺体は寡黙だった。

そうか。父親は変わっていたのか。僕が大きいと思ってからも、僕が怖いと思ってからも、僕が尖ってると思ってからも、ずーっと変化していたのだ。その変化をどうやったら分かったんだろう。僕はどうしたらよかったんだろう。僕は変わっていないのか?僕のことを一番よく知っている人に聞いてみよう。

大きくて怖くて尖ってておしゃべりな父親はもういないことに気づいた。
青春
公開:24/10/06 22:30
更新:24/10/15 01:06

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