窓からの景色

部活からの帰り、ハンバーガーショップの前で足が止まった。
「どうしたの？」と彼。私の視線の先のものを見て、「ああ」と納得した。
季節限定。それも１７時以降でないと販売してくれないハンバーガーを窓の向こうで私達と同じ、部活帰りの学生達が食べていた。
「俺らも食っていこうぜ」
彼に手を引かれ、店に入る。
帰ったら晩御飯なのに食べてしまって大丈夫かな…
「半分こすればいい」
彼はハンバーガーとポテトを１つ。ドリンク２つを注文する。
半分に割ったハンバーガー。１つだったら絶対に晩御飯食べ切れなかったな…
「これ、美味いな」と彼。「来年も食べに来ようぜ」
来年の今頃は私達も大学生。志望校が違うから離れ離れになる。だからその約束は…
「いいや！絶対に一緒に食べに来るぞ！来年も、再来年も、ずっと、ずっとだ！」
豪語する彼に思わず笑ってしまった。
その時交わした約束は、彼が夫に変わった今も続いている。