窓からの景色

図書館で飛び出す仕掛け絵本を借りてきた。
息子と娘に読んであげると二人とも絵本の仕掛けにくぎ付けで中々次のページへと進ませてくれない。
本の中から飛び出すお城、動く人や動物、興味津々である。
それでも読み進めていくと、また娘にページをめくる手を止められた。
「まどのかぎしめなきゃ」
窓の鍵？そう言えば、絵本にそう書いていたっけ…別に開けっ放しでも良くない？
「どろぼうにはいられちゃうよ」
そんなわけない…と次のページをめくる。お城の窓の向こう、泥棒の姿があった。
「ほら」「いたでしょ」
娘と息子に怒られる。前のページに戻り、窓に鍵をかける。
ページを進ませると、そこに泥棒の姿はなかった。
思った以上に奥深い仕掛けだ。そのせいか、絵本を読み終える頃には娘と息子以上にこの本の虜になっていた。夫が帰宅していたのにも気が付かなかった…
「キミ、絵本の泥棒に心を奪われていたんじゃない」と笑われた。