私の恋、私だけの恋

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「、、ぁ、あ、、、あー、聞こえますか?」
学校から帰って家で昼寝をしていたらどこからか声がした。
「だ、誰っ?」
咄嗟に辺りを見回したけど誰もいなかった。
「私は近所の神社の神様です。今日は貴方を導くために来ました。」
その声は空気の振動で伝わる人の声ではなかった。
本当に神様が喋ってるような、異質な感じだ。
「運命の糸がもうすぐ切れそうなのです。」
突然のことで訳が分からず、壁の角に背中をつけて必死に声の方向を探し続けた。
「貴方が生まれた病院を覚えていますか。そこにいる貴方の運命の人がもう耐えられそうにありません。相手は貴方の初恋の相手です。」
初恋の相手と言われて思い当たるのは一人しかいなかった。
でも、あいつが運命の人だったなんて思いもしなかった。
「お行きなさい、可愛い人の子よ。そして手を握って祈るのです。」

玄関を開けて走り出した。
足にアスファルトの冷たさと鋭さを感じた。
SF
公開:24/10/03 20:39

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