青春の前奏

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たとえば、自分があの子の仲のいい友達だったらな、と思う。
そうするとその想像の中ではあの子と笑顔で会話ができて、あの子も楽しそうに笑う。
今のあの子は教室のドアの近くで友達と楽しそうに話してるから、きっと僕も同じように話しかけられるはず。
けれど、もしあの子が僕のことを嫌いで、話しかけられたくないと思っていたら。
もともと嫌なやつだったのにさらに嫌なやつになってしまったらあの子はこの教室にいることにさえ苦痛に感じてしまう。
よく考えたらあの子の周りにいるのは同性で、僕は異性だ。
あの子が幸せでいてくれればそれで僕は幸せだけど、僕の目の前以外で幸せを感じてほしくないと強く願ってしまう。
強欲で、傲慢で、利己的な僕はなんて嫌なやつなんだろう。
けれど、
もし、
あの子が、
僕のことを好きになってくれたら。
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公開:24/10/03 20:13

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