【妖怪小噺】怪し火と怒り火

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男衆が、酒の席で怪火の話をしなければ、
旦那に勇気がねぇなどと焚きつけなければ。

あの日の夜、村の近くに現れる怪火の正体を暴いてやると、
手に棒っきれを持って飛び出た旦那。

夜遅くに青い顔して帰ってきて、
何も言わずに布団にくるまってガタガタ震えて、
朝から高熱が出て、あっという間に逝っちまった……

村のもんに殺されたんも同じや……!
しかも、その怪火に、
うちの旦那の名前をつけて呼んどる!
許せねぇ……
どうせ狐か狸やが、あたしが……!



昔な、大和国に、フラフラと墓場の間を飛び回る青白く光る怪火がでたそうじゃ。
小右衛門っちゅう男が、その火に憑かれて死んじまったんだと。
それから、その火を『小右衛門火』って呼ぶようになったんじゃ。

いつのまにか、小右衛門の嫁っこの姿も見んようになったんじゃ。
その怪火を成敗しようとしたとかでなぁ……
恋か恨みの炎か、熱くてかなわん……
ホラー
公開:24/10/05 08:00
更新:24/10/19 23:11
妖怪 妖怪小噺 怖い話 お化け

初川 鳳一

作品を読んでいただきありがとうございます!

最近色々な小説を読んでいたら、自分でも挑戦をしたくなりました!
ド初心者ですが、みなさんが楽しめるようなお話が書けるように頑張りますー!

「妖怪」の説話・由来などをもとにしたショートストーリー「妖怪小噺」シリーズを制作中!
妖怪・都市伝説・怪談などが好きです!お友達も募集しておりますので、ぜひ仲良くしてください!

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