歪む着信

「凹むよなぁ、同級の通夜って…今井のやつ、なんでだよ…」

「なんか、道路の真ん中で、ぼーっとしてたらしいよ…」

「そうなの？メンタルやられたのかなぁ…」

「そういえば、あいつ、サークルの飲み会の次の日に変なこと言ってたな。ニュースで、自分が事故の被害者で死んだとかやってたって…」

「うそっ、こわっ…。現実になってんじゃん…それ…」

「アイツ、すぐに俺たちとか家族とかにも片っ端から電話をかけたけど、誰も出なかったんだってさ。なんか、それも気味悪いよね」

「今井君が聞いたって時間に、私もニュース見てたけど、そんな内容のなかったよ…」

「アイツも相当飲んでたし、ハッキリと聞いたわけじゃなかったらしいから、気のせいじゃね？ってなったけどね、結局」

斎場に着き、大勢の参列者が並んでいる。
サークルメンバーが焼香しようとしたその時、メンバーと家族のスマホが一斉に鳴った。