ほほ笑み
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お兄ちゃんから、お下がりの星をもらった。
空に浮かぶ雲は古ぼけていた。風は埃くさかった。月の兎はいなかった。
それでも、これは僕の星だ。嬉しかった。
焼け野原で死体を片付けながら、わくわくしていた。
きれいに掃除したら、この星にあの子を呼ぼう。死体の数が多いから、掃除が終わるまで何百年かかるかわからないが、たとえ何百年経っても、僕はあの子が好きだし、あの子も僕を好きでいてくれるはずだ。二人で夜空を見上げて、二人だけの星座を作ろう。
そんなことを考えていたら、足元の死体が笑ったような気がした。後でお兄ちゃんに訊くと、その死体はお兄ちゃんの星で有名な天文学者だったらしい。
空に浮かぶ雲は古ぼけていた。風は埃くさかった。月の兎はいなかった。
それでも、これは僕の星だ。嬉しかった。
焼け野原で死体を片付けながら、わくわくしていた。
きれいに掃除したら、この星にあの子を呼ぼう。死体の数が多いから、掃除が終わるまで何百年かかるかわからないが、たとえ何百年経っても、僕はあの子が好きだし、あの子も僕を好きでいてくれるはずだ。二人で夜空を見上げて、二人だけの星座を作ろう。
そんなことを考えていたら、足元の死体が笑ったような気がした。後でお兄ちゃんに訊くと、その死体はお兄ちゃんの星で有名な天文学者だったらしい。
ホラー
公開:24/09/26 18:15
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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