イビキが止まるルーズソックス
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「あんたね、別の部屋で寝てるのに、毎日毎日グースカグースカうるさいんだけど。どんだけ家族に迷惑掛ければ気が済むの?」
会社から帰ると、妻からこんな具合に毎日こき下ろされる。
ある日の仕事帰り、ネオンに照らされた怪しげな色合いの看板を渋谷の街中で見付けた。『イビキが止まるルーズソックス2000円。あなたも幸せに。』
古びたビルのドアを開けると、齢60歳くらいか、女性物の制服を身に付け、ボサボサの髪と口周りに青髭を纏ったおじさんが話し掛けてきた。絶滅したはずのヤマンバがまだ生存していたか。「いらっしゃいませぇ、どれでも2000円ですよぉ。」
対応に窮し、なけなしの千円札2枚を渡して手元にあったルーズソックスを1本手に取って店を出た。
「あんたまた変な物買ってきたわねぇ。こんな物でイビキが治るわけないじゃない、ふふ。」妻に苦笑しながら怒られた。
なぜか、妻の機嫌はいつもより悪くない気がする。
会社から帰ると、妻からこんな具合に毎日こき下ろされる。
ある日の仕事帰り、ネオンに照らされた怪しげな色合いの看板を渋谷の街中で見付けた。『イビキが止まるルーズソックス2000円。あなたも幸せに。』
古びたビルのドアを開けると、齢60歳くらいか、女性物の制服を身に付け、ボサボサの髪と口周りに青髭を纏ったおじさんが話し掛けてきた。絶滅したはずのヤマンバがまだ生存していたか。「いらっしゃいませぇ、どれでも2000円ですよぉ。」
対応に窮し、なけなしの千円札2枚を渡して手元にあったルーズソックスを1本手に取って店を出た。
「あんたまた変な物買ってきたわねぇ。こんな物でイビキが治るわけないじゃない、ふふ。」妻に苦笑しながら怒られた。
なぜか、妻の機嫌はいつもより悪くない気がする。
公開:24/09/29 00:09
小説初心者です。
少しずつ経験を積みたいと思います。
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