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事務所のある2階の窓からは、沼の隣に作られた小さな公園がよく見える。計算機とのにらみ合いに疲れてそちらに視線を向ければ、赤や黄色の服を身にまとった子どもたちが、大きな笑い声をあげながらはしゃいでいた。
先の心配をせず、無邪気に遊んだのはいつが最後だっただろう。うらやましいのと同時に湧いてきたのは苛立ち。私は「ちょっと注意してきます」と宣言し、怒り肩で公園に足を向けた。
近所迷惑だ、と釘を刺すつもりだったが、子どもたちの姿はどこにもなかった。すると通りがかりの老人が、誰にともなくつぶやいた。
「ワクラバのいたずらでしょうねぇ。ほら、あちらにもこちらにも」
ポケットからスマートフォンを取り出し、検索をかける。わくら葉とは、夏のあいだに病気になり、変色した木の葉のことをいうようだ。
老人は静かにほほ笑み、散歩の続きに戻っていった。公園の隅では、風で寄り集まった落ち葉が楽しそうに戯れていた。
先の心配をせず、無邪気に遊んだのはいつが最後だっただろう。うらやましいのと同時に湧いてきたのは苛立ち。私は「ちょっと注意してきます」と宣言し、怒り肩で公園に足を向けた。
近所迷惑だ、と釘を刺すつもりだったが、子どもたちの姿はどこにもなかった。すると通りがかりの老人が、誰にともなくつぶやいた。
「ワクラバのいたずらでしょうねぇ。ほら、あちらにもこちらにも」
ポケットからスマートフォンを取り出し、検索をかける。わくら葉とは、夏のあいだに病気になり、変色した木の葉のことをいうようだ。
老人は静かにほほ笑み、散歩の続きに戻っていった。公園の隅では、風で寄り集まった落ち葉が楽しそうに戯れていた。
ファンタジー
公開:24/09/28 13:39
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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