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よい子は九時になったら寝ましょうね、なんていうのは嘘だ。だって、星は眠っていないもの。少年は毎晩眠る前にそう考える。毎晩休まずに光り続けるあのお星さまが、よい子じゃないわけない。きっと、大人の言うことは嘘なのだと。ちいさな窓から見える夜空には、今日も休まずにキラキラと輝く星が一つ。いつもはただ光るだけだけれど、なんと今日はお星さまから手を伸ばされた。少年は星と夜空を駆ける。流れ星の船に乗り、夜空の大海を行く。
「お星さまは眠くないの?僕はもう眠くなってきたや」一体何時になったのだろう。ウトウトと聞くと、星は「眠くなんてないよ」と答える。「それは、お星さまが悪い子だから?」けれど、星は答えない。そうして静かな海に二人、舟をこいでたどり着いたのは、少年には見えることのなかった何千もの星たちの寝室。少年は気が付いた、お星さまは毎日違うお星さまだったことに。あぁ、星はやっぱり良い子だったのだ。
「お星さまは眠くないの?僕はもう眠くなってきたや」一体何時になったのだろう。ウトウトと聞くと、星は「眠くなんてないよ」と答える。「それは、お星さまが悪い子だから?」けれど、星は答えない。そうして静かな海に二人、舟をこいでたどり着いたのは、少年には見えることのなかった何千もの星たちの寝室。少年は気が付いた、お星さまは毎日違うお星さまだったことに。あぁ、星はやっぱり良い子だったのだ。
SF
公開:24/09/23 12:09
キータオといいます!受賞実績とかは何もないけれど、面白いと思ってもらえるものを細々と書いてます。
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