森でのマナーがあるの
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オオカミに出会った。人間は咄嗟に背中にかけている猟銃を取り出し、標的を定めて引き金を引いた。瞬間、オオカミはその場で倒れた。簡単な話であった。人間だけが持つ力が、獣を殺したのだ。血を流し、その体は冷たくなっていく。可哀想だとは思わない。人間だって生きるためなのだ。ただ、森にはない力で殺されたオオカミが血を流す価値は、一体どこにあるのだろうか。彼らは震え上った。一匹、一匹と人間に襲い掛かる。そうしてまた一匹、一匹と打たれて血を流していく。肉がたまり、人間の足は血で浸っている。そのうち、銃の音が聞こえなくなってきた。あぁ、ほんとうは人間の持っている力ではないものね。そうして、最後の一匹が飛びかかった。血は混ざり、悲鳴が響いた。そして、マナーの悪い悪い子は、私の中に帰ってくる。あぁ、おかえりなさい。今度はしっかり教えてあげるからね。
ファンタジー
公開:24/09/25 14:30
キータオといいます!受賞実績とかは何もないけれど、面白いと思ってもらえるものを細々と書いてます。
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