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お彼岸に両親の眠る墓地へお墓参りに行った。
十年前に母が亡くなり、去年父も亡くなった。ひとりっ子の私は身内は誰もいなくなってしまった。母もひとりっ子。父には妹がいたが、二十歳前に交通事故で亡くなったと聞いた。
お墓のすぐそばには彼岸花が咲いていた。真赤な花がまるでお互いに寄り添うように二本。母と父が天国で寄り添っている姿を想像して涙があふれた。
両親は、この世に身寄りのない私のことをきっと心配しているだろう。
でも安心して。私に新しい家族ができるの。結婚しよう、って言われたの、彼に。だから大丈夫よ。心配しないで。
「おめでとう」
「よかったね」
声が聞こえた。お父さんとお母さんの声。
声がした方を見ると、二本の彼岸花がただそよ風にゆらゆらと揺れていた。
十年前に母が亡くなり、去年父も亡くなった。ひとりっ子の私は身内は誰もいなくなってしまった。母もひとりっ子。父には妹がいたが、二十歳前に交通事故で亡くなったと聞いた。
お墓のすぐそばには彼岸花が咲いていた。真赤な花がまるでお互いに寄り添うように二本。母と父が天国で寄り添っている姿を想像して涙があふれた。
両親は、この世に身寄りのない私のことをきっと心配しているだろう。
でも安心して。私に新しい家族ができるの。結婚しよう、って言われたの、彼に。だから大丈夫よ。心配しないで。
「おめでとう」
「よかったね」
声が聞こえた。お父さんとお母さんの声。
声がした方を見ると、二本の彼岸花がただそよ風にゆらゆらと揺れていた。
その他
公開:24/09/24 22:18
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