満ち満ちる

金持ちの家に強盗に入った俺達。あまりにも簡単に入れたので拍子抜けした。
旅行にでも行っているのだろう。冷蔵の中は賞味期限の切れたものばかり。食糧庫らしき地下室なんて肉や野菜の腐った臭いが充満している。
家には金目の物が大量に残されており、初日こそ緊張したが連日その家に盗みに入り続けると帰宅した気分になってくる。
だから盗みに入るだけでは飽き足らず、時々その家で寝泊まりする事も増えて来た。
ある日の事だ。俺達は偶然、強盗と出くわしてしまった。
完全に油断していた。だが油断しているのは相手も同じ。俺達は覚悟を決め、強盗を殺した。
死体は地下室へと投げ込んだ。相変わらず酷いニオイだ。
ふいに、誰かに背中を押された俺達。地下室へと足を踏み入れてしまう。
ここから出ようにも扉は固く閉まっている。電波は圏外。
とりあえず電気をつけよう。地下室の明かりをつけると、そこは人の死体で満ちてる事に気が付いた。