アゲハチョーク、ひらり

16
12

「…答えは12」

先生の声に合わせて、黒板の上をアゲハチョークが12と書いて舞う。
アゲハチョークはチョークの蝶で、他にもモンシロチョークとかモンキチョークとか…色んな種類がいるみたい。先生を今お手伝いしているのはアオスジアゲハのアゲハチョークなんだって。チョークの粉と鱗粉が混ざると学校の中だけで生まれる不思議な蝶で、1カ月前くらいのお掃除中に窓から黒板消しをパンパンしていたら好奇心旺盛なアオスジアゲハがモクモクの中へ飛びこみ、ひらりとまわってそこから出ていった後、モワモワなチョークの粉が光ってキュッと集まりあの子が生まれた。人懐っこくて、よく教室へ遊びに来ては先生の授業のお手伝いをしている。

「……ページを開いてください」

どうしよ、ぼーっとしてたら何ページか聞き逃しちゃった!
周りをキョロキョロ見て焦っているとアゲハチョークが飛んできて、ひらりと76ページをめくってくれた。
ファンタジー
公開:24/09/20 21:40
更新:24/09/20 22:47
黒板って森の色っぽいよね 授業中に舞うチョークの蝶

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 風の向くまま )

お立ち寄りいただきありがとうございます。

元:ネモフィラは咲うです。大原さやかさんのラジオ「月の音色」では、ペンネーム:花笑みの旅人として投稿しております。

物語を読んでくださったうちのどなたか一人にでも笑顔になってもらえたらいいなぁと思いながら書いていたりしますので、気軽に寄り道していってくださいな。

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