満ち満ちる

「お昼、それだけで足りる？よかったら私のお弁当半分食べる？」
栄養ブロックを咀嚼しながら参考書を睨みつける僕に、隣の席の女子が話しかけて来た。
差し出される弁当。とてもおいしそうだ。
誘惑に負け、おかずを一つ貰う。
…メチャクチャ美味かった。僕は女子から弁当を受け取ると全部食べてしまった。
「いい食べっぷりだね。明日も作ってきてあげる」
料理が趣味の彼女の弁当はとても美味しく、僕の体はどんどん太っていく。こうなってくると健康状態が心配だ。
だが健康診断の結果を見ると痩せていた頃よりずっと健康だと診断された。
僕も痩せていた頃より体調がよく、勉強に身が入りやすいと感じていた。おかげで第一志望校にも合格した。
何もかもうまくいく現状に、これが幸せ太りか…と気付いた僕。彼女に今の幸せを言葉にして伝えた。
「君が好きです」
その告白の結果はどうなったかって？
僕のこの大きな体を見たら分かるだろう？