バナナ部

ひとーつ！栄養価がたかーい！
ふたーつ！包丁いらーず！
みーっつ！落しても食べられーる！

三名の部員によりスローガンが声高らかに唱和される。
本年度も大学公認の部への昇格はならず予算が割り当てられなかったがそれでも「バナナ部」と名乗り実の詰まった活動を行う。
バナナ部だけに腐ってはならないのである。

最近嬉しいのはフィリピン人女子学生の入部があったことである。
次はエクアドルだ！と国際意識が高まる。

バナナ齧ってるだけだろ、と冷やかされるのを気にせず、部員たちは熱帯農産国の実情をスタディしアルバイト代の一部をそれらの国への援助に当てる。
バナナ部だけに成熟しなければならないのである。

就活でバナナ同好会ってどうなんだよ、と冷やかされるが、活動の実態を真正面から見てくれる企業から受けがいい。
SDGsの問題意識を持っているから社会に出るとさらに一皮むけるのである。

バナナ部だけに。