キツツキ

コンココン…！
ココココン……！

漆黒以外にまだ何もなかった頃の空をキツツキがつつく。

コンココン！
ココココン…！

真っ黒な空に小さな穴があき、そこから細く白い光が漏れだす。

コンコンココン…！

砕けた黒い空の破片が零れた光と混ざりあって飛び散り、星が生まれた。

コココココココーン！

ついに、キツツキの求めていた丸くて広々としたお部屋・ワンフルームーンが夜空へ完成した！
眩しく溢れ出す光にキツツキはうっとりすると、羽ばたき、中へ飛び込んでいった。

しばらくの間、ここにはキツツキが住み着いていたが、あまりにも広くて落ち着かないなぁと思ったらしく、ちょうどよい広さで大好きな緑に囲まれた丈夫な場所はないだろうか？と地上へ降りていった。

その後、何も知らないウサギたちが「餅をつくのにちょうどいい場所じゃないか！」と跳ねて喜び、住み着くようになったのが月ということらしいですよ。