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夜の冷たい空気に朝日が差し込む。
ただただ私は水平線へと身体を向ける。そしてまだ冷たすぎる潮の風を吸い込み、全身に循環させる。
息を止め、目をつむり、耳で波の音を聴く。
そのまま身体を静止させ、自分の中の鈴が鳴ったとき。私は全身を大きく動かし、朝焼けへと身を沈めた。
反響する鈴の音、もごもごとした水の音、脈打つ心臓の鼓動。私は奥に見据えるやんわりとした朝日に向かって、静かに泳ぐ。掻き分け、掻き分け、藻掻き、手を伸ばし、この手が届くまで——
だけれどそれは、電子音ですべてがかき消された。
ぱちりと開けた目に映るのは、光で照らされた天井。
そばに置かれた時計の短針は、8の文字を越している。それどころか、長針はもう6の文字に届きそうだ。
私はネズミ捕りのように素早く動き、いつも手に持つそれらをかっさらう。
門が閉まるのはあと少し。私は最大限の力で扉を開け、冷たく静かな空気をかきわけて走る。
ただただ私は水平線へと身体を向ける。そしてまだ冷たすぎる潮の風を吸い込み、全身に循環させる。
息を止め、目をつむり、耳で波の音を聴く。
そのまま身体を静止させ、自分の中の鈴が鳴ったとき。私は全身を大きく動かし、朝焼けへと身を沈めた。
反響する鈴の音、もごもごとした水の音、脈打つ心臓の鼓動。私は奥に見据えるやんわりとした朝日に向かって、静かに泳ぐ。掻き分け、掻き分け、藻掻き、手を伸ばし、この手が届くまで——
だけれどそれは、電子音ですべてがかき消された。
ぱちりと開けた目に映るのは、光で照らされた天井。
そばに置かれた時計の短針は、8の文字を越している。それどころか、長針はもう6の文字に届きそうだ。
私はネズミ捕りのように素早く動き、いつも手に持つそれらをかっさらう。
門が閉まるのはあと少し。私は最大限の力で扉を開け、冷たく静かな空気をかきわけて走る。
その他
公開:24/09/17 00:56
作曲や小説執筆や人工言語などいろいろな物を作っているケモミミスト。
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