自動運転車でやってくるメリーさん

自動運転システムを搭載した自動運転が可能な車が普及した現在、ちょっと厄介な事が起こっている。
メリーさんが、車で家に来るようになった。
おかげで連絡のスパンが早い。今まで徒歩移動だったものが車移動に変わったんだ。当然である。
ため息をつき、自室から外を見る。ウチの前に場違いな高級車が停まっていた。
何かの間違いかもしれない…そう思い、外に出て高級車の前に立つ。
ふむ…見れば見るほどいい車だ…電気自動車特有の静かさがあって、まさに次世代を担う車って感じがする。
運転席を覗く。ちょこんと可愛らしい人形が座っていた。
メリーさんが私の視線に気づき、運転席の窓を開ける。
「私、メリーさん。今、貴方とドライブに行きたい気分なの」
メリーさんからのお誘い。私は助手席に乗り込むとドライブに出かけた。
自動運転システムはとてもスムーズで何のストレスもない。
その走りは包丁よりも深く私の心に突き刺さった。