作案山子(さっかかし)
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ふむ……
緑の苗がポツポツとした田んぼの真ん中で、気難しそうな案山子が両肩に雀をのせてゆらゆら揺れている。
「先生!あーそぼ♪」
無邪気に足下へじゃれつくオタマジャクシたちにオホン!と咳払いをする案山子。
「こらこら、先生は締切までに稲作文を完成させないとならないんだからね。あっちで僕らと遊ぼう」
気を利かせた雀がオタマジャクシたちを連れていき、かくれんぼを始めた。
作家の案山子である作案山子先生は、今年も豊かな稲作文の執筆の為に体を揺らして考え、ついでに田んぼを荒らしにくるカラスも追い払う。
月日は流れる。
緑の波の中、揺れる先生を指揮者に蛙たちが大合唱。
色づいた稲穂の囁きに雀がうっとりする横で、ツンツクテンと移動する先生。
稲刈りの後、月光に照らされた田んぼの土には月光用紙が現れて、黄金の文字で綴られた蛙のオーケストラの物語を、鈴虫がコロコロと歌うように読んでいた。
緑の苗がポツポツとした田んぼの真ん中で、気難しそうな案山子が両肩に雀をのせてゆらゆら揺れている。
「先生!あーそぼ♪」
無邪気に足下へじゃれつくオタマジャクシたちにオホン!と咳払いをする案山子。
「こらこら、先生は締切までに稲作文を完成させないとならないんだからね。あっちで僕らと遊ぼう」
気を利かせた雀がオタマジャクシたちを連れていき、かくれんぼを始めた。
作家の案山子である作案山子先生は、今年も豊かな稲作文の執筆の為に体を揺らして考え、ついでに田んぼを荒らしにくるカラスも追い払う。
月日は流れる。
緑の波の中、揺れる先生を指揮者に蛙たちが大合唱。
色づいた稲穂の囁きに雀がうっとりする横で、ツンツクテンと移動する先生。
稲刈りの後、月光に照らされた田んぼの土には月光用紙が現れて、黄金の文字で綴られた蛙のオーケストラの物語を、鈴虫がコロコロと歌うように読んでいた。
ファンタジー
公開:24/09/12 12:00
更新:25/08/12 14:40
更新:25/08/12 14:40
読んだ人に笑顔になってもらいたいという想いから投稿し始めましたが、私の文章ではそういったものが届けられないのだろうなぁと気づかされました。
今は書こうと思うとただただ悲しくなるだけなので、もう投稿することはないかもしれません。
アカウントは残しますがこれ以降浮上することもないかと思います。
短い間でしたが今までありがとうございました!
たくさん学ばせて頂きました。
お元気で。
2025.9
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