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夏が終わる。
アツくてアツくてもう二度と来るなと思った夏が終わる。
蝉の鳴き声が大合唱からやや小編成になった。
今日はさらに声を潜めたようである。
少女は季節の移ろいを肌で確かめるように川の水をすくって額にあてた。
次に束ねた髪をほどいてザブンとつけた。
失恋した。
よくわからないけど多分これが恋。
何度も盗み見した横顔。
すべてはオシマイ。
頭から川の水をかぶる。
冷たいはずなのにヒリヒリ感じる。
額の水気を拭ったあと少女は銛(もり)を掴む。
川の中を何度か慣れた動きで突いて次々とイワナを捉えては縄目のツボに入れた。
弟が火を起こしている煙が川岸まで塊をなし届いた。
涙の言い訳ができた。アリガトウ。姉貴思いの弟よ。
目を凝らす。
父さんがイノシシを担いで帰ってきたようだ。
凄ーい!大げさに喜んで、薄緑の石の髪飾りで髪を束ねたあと少女は白い煙の方に走っていく。
もう一声蝉の声。
アツくてアツくてもう二度と来るなと思った夏が終わる。
蝉の鳴き声が大合唱からやや小編成になった。
今日はさらに声を潜めたようである。
少女は季節の移ろいを肌で確かめるように川の水をすくって額にあてた。
次に束ねた髪をほどいてザブンとつけた。
失恋した。
よくわからないけど多分これが恋。
何度も盗み見した横顔。
すべてはオシマイ。
頭から川の水をかぶる。
冷たいはずなのにヒリヒリ感じる。
額の水気を拭ったあと少女は銛(もり)を掴む。
川の中を何度か慣れた動きで突いて次々とイワナを捉えては縄目のツボに入れた。
弟が火を起こしている煙が川岸まで塊をなし届いた。
涙の言い訳ができた。アリガトウ。姉貴思いの弟よ。
目を凝らす。
父さんがイノシシを担いで帰ってきたようだ。
凄ーい!大げさに喜んで、薄緑の石の髪飾りで髪を束ねたあと少女は白い煙の方に走っていく。
もう一声蝉の声。
青春
公開:24/09/13 08:24
更新:24/09/13 08:28
更新:24/09/13 08:28
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