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私は彼を愛している。
今までずっと彼を盗聴し続けたから何でも知っているわ。
知らないことなんてない。

彼の愛する音楽
彼の愛するゲーム
彼の愛するテレビ番組

それから、彼が愛する女……。

誰よあの女。

憎いわ。
羨ましいわ。
殺したいわ。

そう、殺す。あの女……殺したいわ。

その為には鋭敏な盗聴ね。
私は耳が良いの。
有益な情報は、絶対に逃さない。絶対に殺す。
集った虫は徹底して叩き落とすが私のポリシーよ。

へえ、女は今晩彼の家に来るようね。

胸中では怒りと嫉妬が入り混じってる。
今すぐにでも殺したい。

でも我慢。
鴨が葱を背負って来るのを待つの……。
始末時を……ね……。



「こんばんは、お邪魔します」

「シャアアアッ!!!(来たわねこの泥棒猫!!!)」

「こらタマ止めなさい!ごめん、家の猫ジェラシー感じやすいんだ……」
ホラー
公開:24/09/07 23:08

社 真秀

空想世界を広げる為書き連ねます。アドバイス、ご指摘いただけると幸いです。

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