満ち満ちる

暑い夏の日、熱中症の疑いで病院へとやってくる患者さんの中には幻聴を聞いたと話す人が多い。
それは主に農業関係者で、田舎暮らしの方からよく聞く話だ。
主な症状としては、どこからともなくカエルの鳴き声が聞こえるのだとか…
ああ、それはまさに『虫の知らせ』と呼ばれるものですね。
カエルは虫ではないのですが「ケーロケーロ」と鳴くものですから、この声が聞こえたら家に帰ってゆっくり休めというサインなんです。『帰ろ帰ろ』ってね。
他にはチュンチュンと雀の声が聞こえる、なんて話も聞きますね。
それは『鶴の一声、雀の千声』と呼ばれるものです。
ほら、人って一度くらい注意されたくらいじゃ聞かないでしょう？
「涼め涼め」と千度言われたら、仕方なく涼を取る為、日陰や屋内に入るでしょう？
もし、夏の暑い日にスズメやカエルの声が耳に満ち満ちるようでしたら、熱中症の危険がありますので出来るだけ早く退避してくださいね。